2011年11月28日

エントモファガ・グリリ 〜虫の病気〜

 下の写真、チョット衝撃的ですね。上の2枚は今年9月に交野市のほしだ園地で撮影したものです。下の2枚は、同じく10月に千早赤阪村のちはや園地で撮影しました。

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2011年10月9日採取 037.JPG


2011年10月9日採取 040.JPG


 一見すると、バッタがとまっているだけのように見えますが、実は死骸なんです。バッタが葉っぱの先まで登って、死んでいるんです。これは、“エントモファガ・グリリ”という“昆虫に病気を起こして殺す菌”に侵された姿です。

 このような菌類(昆虫病原菌)は数百種類あり、特に有名なのは冬虫夏草の仲間です。これは、いわゆる“虫を殺すきのこ”で、セミ、カメムシ、ハチなどから発生します。

 エントモファガ・グリリ(Entomophaga grylli)はバッタのみに寄生する菌で、冬虫夏草のようにきのこを作りませんが、野外で爆発的な流行を起こして、その個体群をほぼ絶滅させてしまうほどの強い影響力を持っており、ハエに寄生する“ハエカビ”もこの一種です。
 胞子は、ロケット弾のように発射され、皮膚を通して感染します。そして、感染したバッタなどの虫は草の先端に登って死亡するという奇妙な行動を起こします。これは高く登ることによって、遠くまで胞子を飛ばすためだと考えられています。
 以前、トノサマバッタが大発生したときに、エントモファガ・グリリによる流行病により大発生が収まったそうです。

 このように、昆虫病原菌は特定の生物が増えすぎないようにする役割を持っていると考えられています。この性質を利用して、「松枯れ」の原因であるマツ材線虫病を媒介するマツノマダラカミキリの成虫駆除に役立てる研究が行われており、その有効性が確認されています。

 それにしても、どうしてバッタが葉っぱの先に登ろうとするのか、不思議ですね。


posted by JPAちはやチーム | Comment(0)
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